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優秀なアイデアマンになるには?~パズドラに学ぶ、学生が知るべきイノベーションの法則~

記事作成: 吉田 圭佑   記事編集: 和田有紀子 | Innovation |2014.03.13

パズドラ2

今や2400万ダウンロードを突破したスマートフォン用アプリ『パズドラ』。ゲームの内容はいたってシンプルなもので、パズルを回して敵のモンスターを倒すだけ。ふと周りを見渡すと、電車やバス、飲食店などあらゆる場所でスマホを見つめながらパズルを動かしている姿を見かけることが多いような気がします。これまでゲームをする層といえば「男性の若い人々」というイメージがありますが、『パズドラ』は性別を問わず、広い年代の人にプレイされています。『パズドラ』がここまで広い人気を獲得した理由はいったい何なのでしょうか?

今回の記事では、大ヒットゲーム『パズドラ』に見られるイノベーションについて考えてみたいと思います。

パズドラ2

他人と競争しない?

『パズドラ』の最大の特徴はゲーム内に「レベル」という概念があるにもかかわらず他のプレーヤーと競う必要性がないということです。(2014年春に稼動開始予定の『パズドラ バトルトーナメント ―ラズール王国とマドロミドラゴン―』では対戦機能が搭載されていますが、今回の記事で扱うのはアプリ版のものです)

では何をするのかというと、敵のモンスターを倒しながら味方のモンスターを成長させ、「クエスト」と呼ばれるミッションをクリアしていくことがメインになります。

『パズドラ』以前に登場したほとんどのアプリでは、他のプレーヤーと対戦する必要がありました。このようなアプリでは、「長時間プレイしているユーザーには勝てない」といった難点を抱えており、新規ユーザーが離れていきやすい傾向があります。ところが『パズドラ』はそのような対戦機能を一切持たないため、自分のペースでゲームをプレイすることができるのです。

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課金を必ずしも前提としない?

ゲームに必ずつきまとってくるのが課金の問題です。『パズドラ』でも「魔法石」と呼ばれるアイテムを課金して購入することでゲーム内の機能を拡張することが可能になるなど、任意の課金システムは存在します。

しかし、『パズドラ』では、必ずしも「魔法石」を購入しなければゲームが楽しめないようなシステムは採っていません。

ここで一つ疑問が生じませんか?

―課金しなくてもいいシステムでどのように採算をとるのか―

『パズドラ』のアプリ自体は無料。アプリ内には広告の表示はなく、広告収入を得ているわけでもありません。つまり、ユーザーに課金をしてもらわなければゲームの運営が成り立たないのです。

実は『パズドラ』は、「課金をしなくても楽しめる。しかし、課金をすればより楽しめる」というゲームシステムをとっていて、そこには「課金をしてくれるのは一部のユーザーだけでいい」という考えが見られます。

実際、課金をしているのは全ユーザーのうち3割程度といわれ、残りの7割は無課金でゲームを楽しんでいます。「課金をしなくても楽しめる」という前提がゲームを始めるハードルを下げているようです。

本格的だけれど本格的すぎない?

ここまで『パズドラ』の特徴として「他人と競争しない」「課金を必ずしも前提としない」ということを挙げてきましたが、他人と競争しないゲームならドラクエのようなRPGものがありますし、課金を必要としないゲームだっていくらでも存在します。

ではなぜ『パズドラ』だけが爆発的にヒットしたのでしょうか。

それは、「本格的だけど本格的すぎない」ゲームシステムにあると私は考えます。

本格的なゲームはおもしろさの点で言えば素晴らしいものの、普段ゲームをたくさんする人でなければなかなか手を出しにくいでしょう。一方、シンプルなゲームは誰もが手を出しやすいものの、その分飽きられやすく長期間プレイしてもらえないでしょう。『パズドラ』はその中間をついて広い人気を獲得したのです。

『パズドラ』が本格的だけれども本格的すぎないゲームシステムになっているのは、「RPGだけどストーリーはシンプル」「何の操作をしたらよいかが明らか」という点にあるのではないでしょうか。

スマホは他のゲーム機と異なりさまざまな機能や用途があります。スマホの容量は無限ではないので不要なゲームアプリは簡単にアンインストールされてしまうわけですから、プレイヤーをゲームの世界に引き込むための工夫、つまりわかりやすいゲームシステムが必要なのです。

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常識にとらわれない姿勢がイノベーションを生み出す

みなさんはイノベーションといえば新しい発明やアイデアといったものを想像するのではないでしょうか。実際、イノベーションが見られる分野にはさまざまな技術革新やこれまでになかったアイデアが存在することが多いです。

しかし、今までになかったものを考えつくことだけがイノベーションの要素になるというわけではないのです。既存のアイデアにちょっとした工夫をしたり変化を与えることも立派なイノベーションを生み出す要素になります。そのことを如実に体現したのが『パズドラ』ではないかと私は思います。 決して目新しいゲームシステムを『パズドラ』が搭載していたわけではありません。

しかし、それまでスマホ用ゲームアプリにとって「対戦」「課金」「本格的」という要素はいわば“当たり前”のものでした。これを見直し、誰もが楽しめるようなちょうどよいゲームシステムのバランスをとったことが、ライトユーザーからヘビーユーザーまで幅広い層からの人気を獲得するに至ったのですから、これも立派なイノベーションと言えるのではないです。

何か新しい発明やアイデアを考えつくことはそう簡単にできることではありません。そのためイノベーションという言葉は私たちからは遠いところにあるもののように思われがちでしょう。しかし、目の前の“当たり前”を疑ってみることもまたイノベーションであるとするならば、イノベーションという言葉はもっと身近に感じられるものになります。

みなさんの周りにも“当たり前”がたくさん転がっていると思います。まずはその常識を疑ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。

(記事作成:吉田 圭佑   記事編集: 和田有紀子

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