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【明日から話せるホットなニュース】今さら聞けないTPP問題

記事作成:   記事編集: 和田有紀子 | Global |2014.04.21

tpp

大学生なら知っている??TPP、FTA、EPAの違い

TPPと似ているものにFTAやEPA があります。TPPをよく知るために、まずはFTAとEPAの違いを簡単に理解しましょう。下の図を見ながら読んでみてください!

[](出典:JETRO)

FTA(Free Trade Agreement)は、「自由貿易協定」と呼ばれます。名前の通り、FTAで決まる内容は特定の国や地域との自由貿易に関するものです。具体的には、関税や企業への規制を取り払うことで、モノの流通を自由に行えるようにします。ポイントは、「物流の自由化」です!

EPA(Economic Partnership Agreement)は、「経済連携協定」と呼ばれます。この名前から、「FTAと違って扱う領域が広そう!」と思ったあなた、正解です!EPAは経済に関わるもの全般が対象になってきます。そのため、物流だけでなく、人の移動、知的財産権の保護、金融サービスなど様々な分野で相手国と連携を結びます。TPPとは、EPAのうち、太平洋を囲む国々で結ばれる協定のことなんです!

TPP、FTA、EPAの違い、分かりましたか?

今やアメリカ主導のTPP!でも始めたのは別の国?TPPの歴史を知ろう。

そもそもどの国がTPPを始めたのか知っていますか?
「新聞やテレビでTPPの話題になると、必ずアメリカのことが出てくる。きっとアメリカに違いない!」
これは間違いで、TPPはアメリカが始めたものではありません。

実は、最初にTPPが結ばれたのは2006年で、その時の参加国はシンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランドの4か国でした。当時は小国だった国々がお互いの経済発展のために結んだ協定だったんですね。それが後から参加国を拡大しようという話になり、アメリカが2010年に参加し始め、そしてそのアメリカが日本を誘って今に至ります。ちなみに現在の交渉参加国は12か国です。

TPPはアメリカが始めたものではなく、また意外と古いものであることを理解していただけましたか?

TPPはどうすれば正式に始まる??高校生でも知っている条約締結のプロセス

最初にTPPが始まったのが2006年。しかしニュースを見ていても、まだTPPの内容について各国間で合意は形成されていないようです。約8年経過してもなお議論が止まないTPP、一体何が決まれば正式に始まるのでしょうか?

ついこの間、アメリカのオバマ大統領と安倍首相が首脳会談をしています。そこで合意を得られればOKなのでしょうか?答えはNOです。なぜなら、そもそもTPPとは”条約”だからです。高校時代に政経の授業で習った人もいると思いますが、条約を締結するには衆議院と参議院の可決が必要です。だから首脳同士で合意すればいいわけでなく、最後は両院で可決されなければなりません。

ところが今は、関税撤廃に関してお互いに譲りたくない(=自国産業の保護のために守りたい)分野での交渉で揉めています。内容の決定、12か国の同意、国会の同意。この3つが揃わないとTPPは正式に締結されません。道のりが長そうなのが分かりますね…

重要5項目って何?TPPの最大の争点を知ろう

TPPにおいて譲りたくない分野の1つが農産物です。特に、①コメ②麦③牛肉・豚肉④乳製品⑤砂糖の5つを「重要5項目」、別名「聖域」と呼んでいて、日本は関税撤廃に断固反対しています。というのも、海外から安い農産物が流入することで、農家は打撃を受けるかもしれないからです。

その一方でアメリカ等の農業国は、安い値段で農産物を大量に輸出して利益を得たいため、関税撤廃に賛成します。また、日本国内においても、農家の支持を受けて選挙に当選した自民党議員もいるため、安倍首相がTPP交渉を進める一方で、党内ではTPPに反対する議員もいます。国と国だけでなく国内でも大きく意見が対立するこの分野は、まさに争点と言えるでしょう。

結局TPPに入るのはよいこと?各省庁の意向が見え隠れする、異なる試算

「安い農産物が流入するって嬉しいことだよね?」
確かに消費者のことだけ考えるとこの意見は正しく見えます。ただ、立場が違えば意見も異なります。国は全体を俯瞰して判断しなければなりません。ここに、立場の違いを示す面白いデータがあります。TPPに入るとGDPがどう増減するかを各関係省庁が試算したものです。

  • 内閣府→最大3.2兆円増加
  • 農水省→7.9兆円の損失
  • 経産省→参加しないと10.5兆円の損失

製造業を管轄する経産省はTPPを推奨し、農業を守りたい農水省はTPPを否定します。国の省庁の意見が分かれては私たちはますます困りますね。ですが全ては可能性の話。いくら調べても答えは出てきません。自分の立場を明確にした上で、様々な情報から判断できるようにならなければなりません。

(記事作成:   記事編集: 和田有紀子

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