記事であなたの可能性が広がる ~学生のための記事・イベント配信サイト~

【明日から話せるホットなニュース】今さら聞けないウクライナ情勢

記事作成: 中野 綾香   記事編集: 和田有紀子 | Global |2014.04.21

ウクライナ

エネルギーを持つものが勝つ?ウクライナ・EUがロシアに強気になれない訳

ウクライナとはヨーロッパとロシアに接している東欧の国であり、歴史的にも紛争が起こりやすい地域です。ソ連崩壊を経てソ連から独立した後も親ロ政権が続いていましたが、2004年のオレンジ革命によって親欧米派のユシチェンコ政権が誕生しました。

しかし、この欧米派への政権交代により、ロシアはウクライナに対して優遇価格で行なっていたガス供給をストップしました。この状況を打開するために誕生したのが親ロのヤヌコビッチ首相です。また、今回のクリミア占領に対しEUが制裁大きくに出れない理由も、天然ガスの供給ストップを恐れてのことです。エネルギーをチラつかせるだけで一国の政権をも変えてしまう、それがロシアの恐ろしさなのかもしれませんね。

 ロシアがウクライナに介入した訳~なぜウクライナ問題は生じた?~

ロシアがそもそもクリミア半島に軍事介入したのは、「半島内に居住するロシア人を保護する」ためでした。しかしもちろんこれは建前です。本当の理由は、EUやNATO(北大西洋条約機構=西側勢力)(ロシアは冷戦時東側勢力)に接近しつつあるウクライナの動きを阻止するためです。

でもロシアにとって欧米は敵対勢力。つまりウクライナが敵対勢力に寝返るのを防ぐという自己の利益を本来の目的として軍事介入を行なったのです。ウクライナがもとソ連に組み込まれていたという歴史が意味するところは大きく、こういった東側諸国はソ連に助けられている一方で、喉元を押さえられていることも多く、第2・第3のウクライナが生まれる可能性も少なくないでしょう。

クリミア編入の理由とは?古往今来ロシアが求め続けるものに鍵がある

18世紀後半から19世紀にかけてロシア・トルコ戦争が勃発しましたが、その際ロシアが求めていたもの、それは凍らない港「不凍港」でした。そして今回のクリミア半島編入。つまり、ロシアは念願の不凍港、クリミア自治共和国を自国に組み込むことに成功したのです。

以前にもロシアはウクライナから不凍港周辺のセヴァストポリ基地を租借していて、2010年にはヤヌコビッチ大統領によってその使用期間が2017年からさらに25年延長されました。しかし新政権のもとでこの租借期間延長の撤回が検討されていて、使用権喪失を恐れたロシアはクリミア半島編入に踏み切りました。

親ロ派?親欧米派?ウクライナ住民の本音とは…

3月16日にウクライナ内のクリミア自治共和国行われた住民投票では、9割以上の住民がロシア編入を望むという結果となりました。ではウクライナ全体でも同様にロシアが支持されているかと言われれば実はそうではないんです。

クリミア半島では人口の6割がロシア系でしたが、ウクライナ東部・南部は親ロ住民は多いものの、実際はクリミアのようにロシアへの編入を望んでいる住民は少数派です。ウクライナの有力シンクタンク「民主主義イニシアチブ基金」の2月の世論調査によれば、「ロシアとの統合」に賛成する人の割合は東南部のドネツク州で33%、東北部ハリコフ州では15%にとどまったそう。ロシアも直接の軍事介入は難しいのが実情かもしれません。

ウクライナの未来~国際交渉がもたらすものとは~

では今後、ウクライナ問題は解決の一途を辿るのでしょうか?現在、ロシアはウクライナで自治権を大幅に広げる連邦制の導入を目指しています。4月17日にはジュネーブで米・露・EU・ウクライナ間で4者協議が行なわれ、非合法な武装勢力の武装解除や欧州安保協力機構(OSCE)監視団派遣の必要性などで合意しました。

しかし20日はウクライナ東部で銃撃戦が再発し、ロシア・ウクライナはお互いを非難し合っています。また、5月25日には新政権下で大統領選の実施が予定されていますが、新政権の正統性を認めていないロシアは大統領選阻止に向けて何らかの行動を取る可能性が高いと見られていて、平和への道のりはまだまだ遠いと言えるでしょう。

(記事作成:中野 綾香   記事編集: 和田有紀子

「いいね!」で、最近の情報をチェック!