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東大卒のシリコンバレーの実業家、津谷祐司さんインタビュー(前編)

「好きなことを仕事にするための大学生活の過ごし方」

記事作成: 何 遥   記事編集: 和田有紀子 | Innovation |2014.05.09

今回はサンフランシスコで会社を経営する、株式会社ボルテージのファウンダーであり、現会長の津谷祐司さんにお話を伺った。

世界の最先端で日々ビジネスを行っている津谷さんに訊く、「好きなことを仕事にする極意」とは何か。好きなことを仕事にするために、大学生の今やっておくべきことは何か。

株式会社ボルテージ取締役会長 ファウンダー

津谷 祐司(つたに ゆうじ)

1963年福井県生まれ。1985年東京大学工学部を卒業後、博報堂に入社。企業PR 館の企画など、主に空間プロデューサーとして活躍する。1993年UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)映画学部大学院の監督コースに合格し、留学。1997年帰国し、博報堂へ復職。同年社内ベンチャーでインターネット事業「おでかけナビ」を立ち上げる。1999年退職後、ボルテージを設立し、社長に就任。携帯コンテンツ事業を開始。2000年リアルタイム対戦ゲーム「バトル東京23」で、第1回MCF モバイルコンテンツ特別賞を受賞。2002年事業経営の合間を縫って、卒業作品の編集を完成させ、UCLA を卒業。

2006年劇場映画『Wanna be FREE! 東京ガール』を監督。

学生インタビュアー

何 遥(か はるか)

早稲田大学2年生。自身の経験から世界の教育制度や異文化心理学に興味を持っている。

インタビューを通して伺うことのできる貴重なお話を記事にして伝えることで、大学生に少しでも広い可能性を持ってもらいたいと思い、インタビューを始める。

◆集中力は子どものころの“好きなこと”が原点~1日16時間の勉強にのめり込む~

【インタビュー】津谷さん1

何「東京大学をご卒業された津谷さん。もともと勉強は得意だったのでしょうか」

津谷「実は高校時代は3年生になるまであまり勉強していなくて、成績は良くなかったです。僕が通っていたのは福井県の上から2番目の高校で、入って1年目はわりと頑張ったのですが、なんとなく勉強も面白くなくなって。2年生になってからは、SF小説とか、1日1冊のペースで本ばっかり読んでいましたね。成績は下から4分の1という状況になってしまいました」

何「では受験勉強を始められたのは高校3年生になってからですか」

津谷「そうですね。ターニングポイントは、受験の1年前に、友達に誘われて東京の予備校の春期講習へ行ったときです。東京のいろいろな大学を見学に行ったのですが、早稲田や慶応のキャンパスが思いのほか小さく感じて。それに比べて広くて緑の多い本郷キャンパスに足を踏み入れた瞬間『ここだ』と直感的に思いました。出身が福井という土地が広々したところだったからだと思います」

「そこからは、絶対東大へ行くと決めて、猛烈に勉強を始めました。現役の東大合格者がいない高校だったので、まず勉強の仕方がわからない。先生に訊いても、周りに聞いても誰も教えてくれなくて。だから、合格体験記を買って、自分で研究しました。学校の授業は聞かずに。1日16時間365日、毎日欠かさず。それが結構楽しかったんです」

何「そんなに勉強して楽しかったのですか」

津谷「はい。自分で目標を定めて、計画を立てて、勉強しました。今で言うPDCAみたいな感じで。すべて自分で考えてやっていたので、楽しかったですし、誰からも文句を言われないし、変な縛りもない。のめり込んでやっていました。だから、元々勉強ができるかどうかと言えばそうではないけれど、集中力はありました。子どもの頃は工作、高校では小説や映画、好きなことはとことん集中してやっていて、それが勉強に向いたときも、全力を出せました」

「そして、もう一つ勉強の原動力になったことがあります。高校時代、結構な反抗期だったんです。実家の町工場を継ぐのに興味がなくて、なんとか抜け出さなくてはと意識の底で思っていたんだと思います。自分の力でここを抜け出してやると。東大にいけば誰も文句を言わない、そう考えていました」

◆“馬を水飲み場まで連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない”~大学生活を充実させられるかどうかは自分次第~

何「津谷さんの大学生活はどのようなものでしたか」

津谷「実は大学に入ってからは急にやる気をなくしてしまいました。特に超進学校から東大に来た人たちは学校が決めたカリキュラムに沿ってやってきた人が多くて、自分の頭で考えている人は少なかった。頭はいいけど、ハングリー精神や目的意識がなく、無自覚に、ただただ真面目に勉強してるだけじゃないかと感じたのです。本当は彼らも、狙っていることがあったのかもしれませんが」

「その人たちと同じように勉強することには力が入らず、やる気を失ってしまいました。僕は基本的に自分の頭で考える人間なのですが、その時は、次の目標を定めることができなかったのです」

何「そのように自分の頭で考えるにはどうすればいいのでしょうか」

津谷「まずは目標を定めることです。自分で決めた目標、是非実現したい目標があれば、自然と自分で考えて、決めて、行動するということができます。

でも、“馬を水飲み場まで連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない”と言うことばがあるように、やり方を教えることはできるけど、最終的にやるかやらないかは、本人次第。結局は意欲を持つこと、そのために目標をしっかりと持っていることが大切なのです。目標を決めるとき一番大切なのが、自分の好きなものや得意なことを自覚することです」

 ◆子どものときに好きだったことを思い出す

【インタビュー】津谷さん3

 何「自分が何が得意なのか、本当に好きなことはなんなのかはっきりしない人はどうすればいいのでしょうか」

津谷「そういう場合は、子どもの頃に夢中になったことを思い出すことです。小さい頃、好きで好きでしょうがなくてのめり込んでいたもの。僕の場合はずっと物づくりが好きでしたが、こういったものは誰にでもあるはずです。何の縛りもない子ども時代に好きだったことだから、絶対に心底から好きだったもののはずです」

「物事を成し遂げたことある人の話を聞くとみんなそう。子どもの頃に好きなもので勝負する。あのかの有名なエジソンもそうです。例えばですが、小中学校で学ぶ9科目の中で自分は何が一番好きだったのか。何が得意だったのかということから考えてもいいのです。学校に通っている時には客観的に見つめる機会がなかったかもしれないけれど、今から思い出しても遅くはない。子どもの頃を思い出して、本当に興味のあるものが何なのかを知ることがまずは必要ですね」

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(記事作成:何 遥   記事編集: 和田有紀子

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