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意外と知らない!富岡製糸場から紐解く、世界遺産にまつわる5つの裏話

記事作成:   記事編集: 和田有紀子 | Innovation |2014.06.30

富岡製糸場

◆○○年前から登録への動き!富岡製糸場、なぜ今世界遺産に?

日本史の教科書で名前だけは知っている方も多いであろう富岡製糸場。明治5年にフランスの技術を取り入れて建てられた官営模範工場です。

「それは知ってるけれども…どうして今世界遺産に?」

多くの方が抱いている疑問でしょう。ただ残念なことに、特にこの年を狙ったわけでもなく、2003年から群馬県は富岡製糸場の世界遺産登録に向けて動き始めていましたが、結果論的に、様々な手続きなどを乗り越えやっと登録にこぎ着けるのに11年かかってしまいました。

登録までには、国から重要文化財の指定を受けたり、絹産業遺産群と言う、富岡製糸場と共に世界遺産登録を目指す遺産を選定したり、文化庁が世界遺産登録への推薦候補と認めたりと……そしてやっと2013年世界遺産センターに正式推薦。そこから現地調査が行われ、2014年6月21日に登録の運びとなりました。登録への道のりは長いのですね。

◆どうやって守る?「無形」文化遺産

世界遺産と言えば、富岡製糸場の前にも2013年12月「和食」が無形文化遺産に登録されました。日本では他にも歌舞伎、能楽など22の遺産が登録されています。しかし、形が無いものをいったいどうやって保護するのでしょうか?

実際のところ、保護の方法は確立されておらず、ユネスコは「コミュニティにおける無形文化遺産の活性化の優良事例コンテストを実施するなどして無形文化遺産の保護に関する情報共有に努めています。例えばそのコンテスト入賞の「阿波人形浄瑠璃」からはマスコミ、行政など多様な分野の連携が活性化に繋がったことが分かります。

それでも一番の保存方法は、我々日本人が独自の文化を誇りに思い、日常生活の中に取り入れていくことなのかもしれませんね。

◆世界遺産に登録されるその意味とは?

世界遺産登録後、富岡製糸場には1日4,000~5,000人もの人が来場するなど反響があったようです。また、災害や老朽化による修復の費用も国から優先的に配分されるなど、よいことばかりに思える「世界遺産」。

しかし、登録の準備費は自治体の負担。その額なんと数十億!さらに、経済効果も、期待したほどではなかった…という遺産が多い様子。例えば、2008年に世界遺産に登録された石見銀山も、2008年の81万人をピークに観光客は減少、2010年には50万人ほどになってしまい、期待外れだったよう。昨年登録された富士山は観光客の増加によるごみ処理にも多額の費用が…。

それでもなお、多くの自治体が地域の建造物や自然・文化を登録したいと思うのは、ただ単に自治体を盛り上げようといった理由だけでなく、これまで残ってた歴史的なものをこれから先も後世に残していきたいという気持ちがあるのではないでしょうか。

◆歴史的遺産「鎌倉」が世界遺産にならないわけ

皆さんは1年前、鎌倉が世界遺産に「落選」したのをご存知ですか?1992年から世界遺産登録を目指していた鎌倉。「武家の古都・鎌倉」として、日本初の武家政権樹立の地である点をアピール。確かに、私たちも日本史で鎌倉幕府について学びましたし、知名度も高いです。

しかし、「武家政権があった証拠が少ないこと」を理由に落選!鎌倉時代からの遺産は鎌倉大仏ほかわずか。市街地や権力の証拠に至っては「無い」と判断されました。

今後も鎌倉市は世界遺産登録を目指すとしていますが、果たして?

◆もはやレアじゃない!?世界中に溢れる世界遺産

富岡製糸場が11年かけて取り組んだ世界遺産登録。それだけ「世界遺産」はトクベツな肩書き…かと思いきや、2014年には世界中で1,000件を突破!日本だけでも18件。鎌倉が選ばれなかったように、近年審査が厳しくなっているという声もありますが、万里の長城やピラミッド、マチュピチュなど誰もが聞いたことのある遺産はもちろん、私たちが一度も聞いたことのない遺産も多数登録されており、世界遺産は現在飽和状態なのです!

世界遺産に登録されても、胡坐をかいたら観光客はすぐにいなくなる昨今。富岡製糸場と同時に登録されたのはシルクロード。ライバルも強力です。

世界遺産登録がゴールではなく、本当のスタートなのですね。

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(記事作成:   記事編集: 和田有紀子

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