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【いまさら聞けない!】感染拡大が止まらないエボラ出血熱、その脅威とは

記事作成: 和田 有紀子   記事編集: 和田有紀子 | Future |2014.09.04

西アフリカを中心に感染が拡大しているエボラ熱。時を同じくして日本では76年ぶりにデング熱が確認され、中東ではMERSという感染症が広がっています。人類が誕生の時から、人類は常に感染症の危機にさらされてきました。医療が発達しているこの時代でも未だ感染拡大が止まらないその背景とは?分かりやすく解説しました。

死者2000人近く、高い致死率のエボラ出血熱とは?

エボラ熱とはエボラウイルスに感染することで発病する病気の総称で、1976年に現在の南スーダンの村で初めて発見され、近くを流れていたエボラ川からその名が付けられました。潜伏期間は1週間から長くて3週間と言われており、罹患すると突発的な発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢、腹痛などに見舞われ、進行すると口や鼻、粘膜、皮膚、消化管など全身から出血、吐血し死に至る、人類にとって最も恐ろしいウイルスの一つです。患者の血液、分泌物、排泄物などに直接触れることから感染し、基本的に空気感染をすることはないため、感染患者を隔離しきちんとした対処をすれば、感染が拡大することはありません。しかし現在に至るまで、有効な治療法は確立されてはおらず、WHO(世界保健機関)も試験的にいくつかの治療薬を候補として挙げて対応に急いでいますが、安全性や効果は保障されていないため倫理的な問題もあり、なかなか抜本的な対応策は取れていません。2014年9月4日現在、西アフリカを中心に1900人を超える方がエボラ出血熱により亡くなっています。

なぜ感染拡大?途上国だからこその問題

罹患者の隔離を徹底すれば更なる感染を防ぐことができるはずのエボラ出血熱。しかし西アフリカでは、以下のような要因が相まって今回の流行の発端(2013年12月ギニアで発症した模様)から9か月経った今もなお、収束の様相を見せません。

・医師・看護師の不足(人口10万人に対する医師は1~10人程度)
・正しい知識の不足(初期症状の似ているマラリアと勘違いすることも)
・医療器具の不足(罹患した患者に使用した器具を使い捨てできない)
・火葬ではなく土葬の風習を持つこと(別れの際に死者の身体に触れることからも感染)
・西洋医学への懐疑(患者が病院から抜け出す事態も)
・エボラ出血熱の存在自体の否定(市民が隔離施設を襲撃し感染者を施設から出す事態も)
・空港、国境での検査が不十分(隣国への感染拡大)
など

きちんとした知識を持ち、対応を取ればここまでの感染拡大にはつながらなかった今回の大流行。国境なき医師団の見通しによると、封じ込めには最低でも後6か月が必要とされています。

もはや対岸の火事ではすまされない、感染症の猛威とは

感染症は古くは、古代中国やメソポタミア文明、エジプト文明などの書物にもその存在が記されており、古くから災厄として恐れられてきました。現在でもマラリア・コレラ・チフス・インフルエンザをはじめとし、エボラ出血熱の他にも多くの感染症が存在していますが、14世紀中ごろからヨーロッパ全土で流行したペスト(黒死病)では2,000万~3,000万人が死亡したとされ(600年以上も前のことなので正確なデータがない)、ヨーロッパの全人口の1/3~2/3が減少しました。
また1918年から流行したスペイン風邪(鳥インフルエンザの一種)では、歴史上最大の大流行となり、感染者は6億人、死者数は4,000万~5,000万人に至りました。当時の人口は12億人前後と推定されるため、いかに驚異的な数字かがわかるでしょう。

ますます世界が狭くなり、感染拡大が速く容易となった今の時代では、世界の裏側で流行していることも対岸の火事ではすまされなくなりました。起こりうるもしもに備えてきちんとした知識を身に付けたいものですね。

アイキャッチ画像:babasteve
タイトル画像:johnthoward1961

(記事作成:和田 有紀子   記事編集: 和田有紀子

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