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水のほうが石油よりも早く枯渇する?水不足の危機と企業の対応とは

記事作成: 吉田 圭佑   記事編集: 和田有紀子 | Future |2014.09.06

水は私たちの生活の中で欠かせない存在です。蛇口をひねればいつでも水道水が出る、そんな風に私たちはこの水という資源をついつい「タダ同然」と考えてしまいがちではないでしょうか。しかしここ最近、「水資源は石油よりも早く使い尽くされてしまう」という危機感が企業の間で蔓延してきています。もちろん、文字通り水資源が地球上から枯渇してなくなるという意味ではなく、現在の利用コストに見合った水資源の利用ができなくなるという意味での危機感ではありますが。このような現状に対して、コカ・コーラのような水資源を利用する企業はどのような対策をとっているのでしょうか。今回の記事では、水資源問題とそれに対する企業の対応に注目してみたいと思います。

水が不足する背景とは?

地球上に存在する水のほとんどは海水です。私たちが飲み水として利用できる淡水はわずか3%弱しかありません。しかも、その淡水のほとんどが氷河や永久凍土を構成しているため、現実的に私たちが使用することのできる「水」の量はほとんどないといってよいでしょう。ここに世界的な人口の増大とそれに伴う食糧や飲料水の需要増大が重なって、深刻な水資源問題を生じさせているのです。 それならば、海水を淡水化させる技術を用いれば解決が図られるのではないか、と思う方もいるでしょう。たしかに、海水を淡水化する技術は進歩していて、一程度の水の供給は行うことができます。しかし、海水の淡水化には莫大な電力エネルギーが必要で、水資源問題の解決の代わりに新たな環境問題を発生させることになってしまうのです

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水資源問題に直面する企業

工業用水は、世界の水利用の2割強を占めています。すなわち、水資源問題と企業は密接な関連を持っているのです。水資源利用コストの増大が商品生産に影響を及ぼすことはもちろんですが、企業にとって最も懸念しなければならない問題が、このような環境問題を引き起こしたことに対する責任です。 企業の水使用に対する抗議活動の数は年々増加していて、今年の6月にはインドにあるコカ・コーラ工場に対する地元住民の抗議を受けて一時的な操業停止に追い込まれたというケースもあるほど、この問題への影響力は増してきています。 これに対して企業は、水資源への投資を行わざるを得なくなってきており、コカ・コーラ社では工場で使用する水の再利用や削減をすすめるため、20億ドル以上の費用を投じています。

水資源問題の対策は容易?

これほどまでに深刻となっている水資源問題ですが、現在の水の使用について、効率化や再利用を進めることで十分に対策可能であると言われています。政府の動きが遅いなかで、環境問題に意識の高い企業は、この水資源問題の解決に向けて動きを進めているようです。先ほど登場したコカ・コーラ社をはじめ、大手自動車メーカーのフォード・モーターでは組み立て工場の排水処理システムに巨額の投資を行って水の再利用率の向上に努めたり、大手食品メーカーのネスレでは製菓工場に100万ユーロの投資を行って水の使用量を60%減らすことに成功したりと、企業から水資源の有効活用を進めている動きが見られます。 私たちの生活にとって欠かせないものでありながら、水は、その価値をあまりにも低く見られていたのではないでしょうか。その価値を見直す端緒として、企業による節水や水の再処理などに対する投資に注目したいところです。

(記事作成:吉田 圭佑   記事編集: 和田有紀子

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