記事であなたの可能性が広がる ~学生のための記事・イベント配信サイト~

LGBTとは?性とは?Facebookの写真が虹色になったわけ

記事作成: 高橋 健太   記事編集: 高橋 健太 | Future |2015.11.08

Rainbowflag

2015年11月5日、東京都渋谷区において同性カップルを結婚に準じる関係と公的に認める証明書が発行されました。同じ日に世田谷区でも公的証書を発行する取り組みが始まっており、こうした取り組みは全国に広がっていくと考えられます。

今年は6月にもアメリカで同性婚をめぐる大きな判決があり、Facebookのプロフィール写真が虹色に染まったのは記憶に新しいですよね。プロフィール写真を虹色にした人の多くの人はなぜ虹色にするのかわかっていると思いますが、中にはなんとなく変えた人もいるのではないでしょうか。なぜ虹色なのか。同性愛・同性婚をめぐる問題について見てみましょう。

虹色の意味とは?アメリカ全州で同性婚承認

今年(2015年)6月26日、アメリカ連邦最高裁の判決によってアメリカ全州で同性婚を憲法上の権利として認められました。最高裁の審議の最終投票では5対4で“同性婚禁止は違憲”とされ、アンソニー・ケネディ最高裁判所判事が公的に声明を発表しました。もともと、アメリカでは多くの州で同性婚が行われていましたが、複数の州では禁止されているという状況であったため、この違憲判決によりアメリカ全土において、同性婚カップルが異性婚カップルと平等の権利を享受できることになったのです。

それを受け、Facebookはプロフィール画像をレインボーにするという機能をリリースし、同性婚容認を祝福しました。レインボーは性の多様性を表し、LGBT(レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシャル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の頭文字をとったもので、その人々を表す)の尊厳と、社会運動を象徴する色であるため、LGBTの人々が集まる店や町にはその理解を示すためにレインボーの旗が掲げられています。虹色のプロフィール画像の作成機能は、アメリカ全州のLGBTに対する差別がなくなるための一歩を祝うために作られたものだったのです。

宗教との対立

そもそも、アメリカではこれまで同性婚はなぜ反対され、禁止されていたのでしょうか。これには、宗教がからんでいる背景があります。アメリカではキリスト教徒が8割近くを占めています。キリスト教の正典である旧約聖書には「あなたは女と寝るように男と寝てはならない。これは憎むべきことである」とあり、同性間の性行為を禁止しています。このため、アメリカでの同性婚合法化運動においては、キリスト教保守派を中心に反対は根強く、そうした層を支持基盤に持つ共和党の議員からは異論を唱える人もいたようです。しかし、近年他の宗教を信仰する人が増えていることや、キリスト教を信じる人の中にも同性愛を肯定的にとらえる人が増えてきているという背景があり、同性婚禁止法の違憲判決が達成されたと考えられます。

また、他の宗教にも同性愛を禁止しているものもあります。イスラム教の聖典コーランでは同性愛感情を抱く人を非難する記述があることから、否定的な見解を示している信者が多いようです。イスラム原理主義が勃興した20世紀以降、アフリカやアラブのイスラム国家では、同性愛には非常に厳しい法律が適用され、国によっては死刑と定められているところもあります。

海外諸国のLGBTの権利

ヨーロッパでは同性婚の合法化が進んでおり、2000年以降数々の国が同性婚を認めています。1989年5月にデンマークで登録パートナーシップ法(夫婦に準じる権利を同性カップルにも認める法律)が成立し、2000年12月にオランダで世界で初めて異性同士の結婚とまったく同じ婚姻制度を採用する同性結婚法が成立しました。そのほかにも、ベルギー、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガルなど多くの国で、同性婚法もしくは登録パートナーシップ方が施行されています。

一方で、アフリカや中東の国々では今も同性愛自体を禁止する法案があり、サウジアラビアやイランなどでは死刑が適用されることもあります。南アフリカ以外のアフリカの多くの国では法律で同性愛を禁止し、軽犯罪から死刑まで課されうるという状況が続いています。唯一同性愛者に対する差別を禁止する法律がある南アフリカでさえも、レズビアンの女の子を「矯正」するという理由で行われるレイプ事件が発生しており、いまだ人々の意識が法律に追いついていないという状況です。同性愛者であるという理由だけで多くの人が迫害され殺されているのです。

日本では渋谷区で同性パートナーシップ条例が成立

日本にはアフリカ諸国のような同性愛者を禁止する法律こそありませんが、一方で同性愛者などの性的マイノリティに対して理解が進んでいるとは言えず、同性婚に関しても憲法の解釈によって違憲であるとみなされてきました。しかし近年同性婚を認めようという動きが広まってきており、今年3月31日に東京都渋谷区において、同性パートナーシップ条例が賛成多数で成立し、11月5日に同性パートナーシップ証明書が発行されました。同性婚については日本国内での議論がまだ不十分な点もあり、より議論がなされるべきではありますが、性的マイノリティに対する人権問題に対して目を向けるようになったという意味で、日本も一歩を踏み出したと言えます。

最近では日経ビジネスなどの多くの雑誌がLGBTについて取り上げるようになってきており、だんだんと議論が活性化されていくと思われます。みなさんも虹色に彩られたLGBTに関する本などを見たことがあるのではないでしょうか。

性の定義とは?LGBTだけではない、体の性・性自認・性的指向の多様性

これまで、LGBTの人権に関して見てきましたが、「でも私には関係ないし、どうでもいい」と思っていらっしゃる方もいるでしょう。しかし、電通が今年4月に行った調査によると、LGBTに該当する人々は人口の約7.6%であるということがわかりました。もしあなたに100人知り合いがいたとすると、その人の中に一人もLGBTの人がいない確率は0.037%(=((1-0.076)^100)*100%)であり、ほぼ確実に一人はいることになります。人口の約10%であるといわれるAB型の人々とほぼ変わらない割合でいることになるのです。関係ない、周りにはいないと思って生活していると、自分の知らないところで性的マイノリティの人々を傷つけているかもしれません。

また、自分自身は本当に性的マイノリティではないのか?と自問自答してみることも必要ではないでしょうか。先に挙げた電通の調べでは体の性が男か女か、性自認(心の性)が男か女か、性的指向(好きになる性)が男か女か両方か、の2×2×3=12通りの性が調べられていますが、そもそも男と女の定義とはなんなのでしょうか。それらにより定義される自分の性とはなんなのか。そんなことを考えていると、これまで「男か女か」の二元論による区分がひどく不明瞭であることに気付くと思います。
これまでにあげたLGBT以外にも、中間的な性を表すインターセックス、男女どちらでもないという性別の立場をとるXジェンダー、他者に対して恒常的に恋愛感情や性的欲求を抱かないアセクシャルなど様々な性の形があります。男女、またLGBTという言葉さえも、わかりやすい性の表現として使われているだけで、性はグラデーションを持ちながら様々に存在しているのです。一人ひとり多様な性のあり方があり、それが認められる社会になるべきではないでしょうか。

(記事作成:高橋 健太   記事編集: 高橋 健太 )

「いいね!」で、最近の情報をチェック!