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他人ごとじゃない!日本で起きた&日本人が起こしたテロ

記事作成: 高橋 健太   記事編集: 高橋健太 | Future |2015.11.24

パリで起きた同時多発テロやベイルートでのテロ、そういった惨劇が起きながらもどこか他人ごと感が否めない日本。今後は日本もテロの対象になりうる、という論が展開されるも、「どうせ起きたとしても東京だし…」「私が巻き込まれるはずないでしょ」と思っているのでは?実は、日本でもテロは結構起こっており、日本人が海外でテロを起こしたこともあるのです。

テロの定義って?テロ、テロっていうけど…

テロってなんでしょう。爆発でたくさんの人を殺すこと、というイメージがありますが、ここではテロの定義について見てみましょう。 テロの言葉の語源であるterrorismの定義は、 政治的目的を達成するために、暗殺・暴行・粛清・破壊活動など直接的な暴力やその脅威に訴える主義。テロ。 (デジタル大辞泉より) とあります。つまり、爆弾によらずとも、また人を殺さずとも、簡単に言えば政治的目的達成のための暴力的な手段であれば、テロと呼べるわけですね。逆に、通り魔的な事件である秋葉原通り魔事件や、金銭面でのいざこざが原因の殺人事件などはテロとは呼びません。それは、爆弾によって殺されていないからではなく、政治的目的のために殺されたわけではないからなのですね。 誰も殺されていない場合でも、たとえばシー・シェパードの妨害行為は捕鯨をやめさせるための行為であるので、テロリスト集団と認定している組織もあります。テロ=大量虐殺というイメージが強い日本人にとっては、このテロという言葉の定義は新鮮ですね。

日本でも意外に起きているテロ事件

政治的目的達成のための暴力手段というのがテロの定義とすると、日本国内で起こったテロ事件とはどのような事件があるのでしょうか。この定義によると明治維新の頃に起こった桜田門外の変などの○○暗殺のような事件も含めてしまい、多くの暗殺事件が挙げられうるので、ここでは戦後に起きた有名な事件について見てみましょう。

1972年2月 あさま山荘事件

日本の新左翼組織という共産主義的な思想を持つ連合赤軍のメンバー5人が浅間山荘の管理人の妻を人質に立てこもった事件です。10日間もの長期にわたり犯人たちは立てこもり、警察官2人と、民間人1人の死者、20名以上の負傷者を出しました。

1974年8月 三菱重工爆破事件

日本の左翼テログループ東アジア反日武装戦線による無差別爆破テロで、海外進出を行っている三菱重工業に対し、「経済的にアジアを侵略している」として時限爆弾によるテロに至りました。この丸の内で起こったテロでは、8人が死亡し、約380人が重軽傷を負うという大惨事になりました。 三菱重工爆破事件 出典:37.media.tumblr.com(出典:37.media.tumblr.com) このように、1970年時代には左翼団体によるテロが何度も起こりました。

1991年7月 悪魔の詩事件

2015年11月13日にフランスで起きたテロ事件で、2015年1月に起きたフランスのシャルリ・エブド襲撃事件を思い出した方もいるのではないでしょうか。なぜこの事件が起こったのかというと、偶像崇拝を禁止しているイスラム教に対し、フランスの週刊新聞シャルリ・エブドがムハンマドの風刺画を描きイスラム教の過激派を挑発してしまったのが原因です。 これと同じような事件が1991年頃にも世界各国で起きました。それが悪魔の詩事件です。イギリスの作家サルマン・ラシュディ氏がムハンマドのことを書いた小説「悪魔の詩」を出したことに対し、当時のイランの最高指導者ルッホラー・ホメイニ師が「ラシュディには処刑が宣告されなければならない」として、「死刑宣告」しました。 この本を翻訳した人も世界各国で狙われるようになり、日本で悪魔の詩を翻訳した筑波大学の教員だった五十嵐一(ひとし)さんも、勤務先の筑波大学にて何者かに殺害されて翌日に発見されました。犯人は未だに見つかっていません。

※1995年3月 地下鉄サリン事件

一般にテロ事件と言われることが多い地下鉄サリン事件ですが、“政治的目的”があったかと言うと微妙なところです。ただ、やはり13人の死者、6000人以上もの負傷者数を出したこの事件はインパクトが大きく、宗教団体が起こした事件というのもあり、テロと呼ばれることが多いようです。 地下鉄サリン事件 出典:blogs.yahoo.co.jp(出典:blogs.yahoo.co.jp) ちなみに、この事件では朝8時ごろ、千代田線(代々木上原行:新お茶の水駅付近)、丸ノ内線(荻窪行:御茶ノ水駅付近、池袋行:四ツ谷駅付近)、日比谷線(東武動物公園行:六本木駅付近)、日比谷線(中目黒行:秋葉原駅付近)でサリンが撒かれました。これらの電車を今現在通勤・通学に使っている方もいるのではないでしょうか。もし自分がその場所にいたらと思うとゾッとしますね…。 2000年以降は日本ではこういった多数の死傷者を出した事件は起きてはいませんが、細かく見れば左翼・右翼過激派による多数のテロが起きています。

日本人がテロ事件を起こした!テルアビブ襲撃事件

これまでは日本人が被害者となりうる、日本国内で起こったテロをあげましたが、逆に日本人が加害者として海外で起こしたテロも存在します。 それが、1972年5月にイスラエルのテルアビブで起こった「テルアビブ空港乱射事件」です。左翼運動が活発であった1970年代に、極左系団体である日本赤軍がテルアビブの空港で銃を乱射するという無差別テロ事件を起こし、24人の死者、70人以上の負傷者が出ました。パレスチナのゲリラと共闘しようという日本赤軍のメンバーが起こしたテロです。 テルアビブ空港乱射事件 出典:http1000ya.isis.ne.jp1488.html(出典:http1000ya.isis.ne.jp1488.html) この事件によって一般人の死者が多数出た一方で、イスラエルに敵対するパレスチナの人々は「日本人が我々のために戦いに来てくれた」と感謝し、現在でもイスラエルに敵対するアラブ諸国で親日の人が多い理由になっています。

革命とテロは何が違うのか

テロという言葉をもう一度考えてみましょう。テロとは「政治的目的を達成するために、暗殺・暴行・粛清・破壊活動など直接的な暴力やその脅威に訴える主義。テロ。」とありましたよね。では、武装蜂起により暴力をもって現在ある政権を倒す、いわゆる「革命」と呼ばれるものとどう違うのでしょうか。 結論としては、体制側か革命側かによって呼称は変わると言えます。現在起こっている“テロ”と呼ばれる暴力行為や虐殺行為も、テロリストと呼ばれる人間から見れば自分の政治的思想を実現するための“革命”なのかもしれません。理解は全くできませんが…。

Facebookのトリコロール論争をめぐって

インターネットにより世界がより身近に感じられるようになってきて、フランスのテロが起こった後にはFacebookのプロフィール画像をトリコロールカラーにすることに対し、様々な意見が発信されました。だんだんと議論は沈静化してきましたが、トリコロールカラーにすること自体の賛否はさておき、世界各国で起こっている問題に対して議論がなされているということは非常にいいことだと思います。どんな問題も他人事だととらえず、意見を発していくことから解決につながっていくのではないでしょうか。 テロは世界のどこか日本以外で起こることではなく、また必ずしも日本人以外が起こすものではありません。政治に対し自分の考えを持ち意見を発信すること、それ自体は素晴らしいことですが、暴力を伴うテロとの境界を見誤らないようにすることが必要ですね。

(記事作成:高橋 健太   記事編集: 高橋健太 )

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