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安倍首相も大注目のインド 日本との関係はどうなる?

記事作成: 宮川 健太郎   記事編集: 宮川健太郎 | Global |2015.12.25

安倍首相のインド訪問によって日本とインドの関係性はますます強化されました。今世界から注目を集めるインドについて、今回の安倍首相訪問から見えてくる日本の関係性を筆者の実体験を踏まえつつ探っていきます。

安倍首相がインドを訪問!

12月11日から13日にかけて、安倍首相がインドを訪問したことはニュースや新聞などで繰り返し報じられたのでみなさんも記憶に新しいと思います。インドのモディ首相との首脳会談を行い日本の新幹線技術をインドに導入するなどを決定して日印の関係強化を世界にアピールしました。また、最終日にはヒンドゥー教の聖地であるガンジス川で行われる祭典でもてなされるなど現地は日本のトップを歓迎するムードに包まれていたようです。

しかしなぜ今「インド」なのでしょうか?今回の安倍首相のインド訪問を通じて見えてくるインドの姿とはどのようなものでしょうか?

インドの人口はどのくらい?都市部は見渡す限りの人!

インドに関心が集まる理由のひとつは人口の多さゆえのビジネスチャンスの大きさでしょう。インドはとにかく人の数が多いです。OECDの調査によるとインドの人口は中国に次いで世界第二位で約12.5億人(2014年)もいるんだそうです。実際インドに行くとどこに行っても見渡すかぎり人、人、人・・・、という感じです。都心部では駅前の道を横切ろうとしても人が多すぎて渡れないということも起きます。

人口が多い上にまだまだ発展途上の国ですので、経済成長の可能性がとても高いと言われています。また、インドは15歳から65歳までの労働生産人口が全人口の6割を占めているのです!つまり、インドは人口が多い上に働ける人の数も多いのでこれからますます成長する国になると言えるのです。

インドで安倍首相は何したの?

安倍首相の3日間にわたる今回のインド訪問での最大の成果はモディ首相との首脳会談でしょう。具体的には⑴新幹線の輸出⑵原子力協力の合意⑶日印のビジネスの促進、といったことが大きな成果として話し合われました。

⑴新幹線の輸出

インド西部のムンバイと北西部のアーメダバードを結ぶ高速鉄道計画において、日本の新幹線技術が導入されることが決定しました。日本政府はこの計画で約1兆4600億円の円借款を提供し、人材育成や技術移転等も行うとしています。現在、日本の新幹線の技術を使用している海外の高速鉄道は台湾のみです。また2015年9月にインドネシアでの導入に失敗してしまったのは記憶に新しいと思います。インドは人口が多いながらインフラ整備が遅れており、特に鉄道網の整備は課題であると言われていました。そのため日本は官民を挙げて早い段階から日本の新幹線技術をインド側に売り込んできました。それが功を奏し今回の技術導入に至っています。しかし、現実のインドの鉄道は事故が多発したり管理が杜撰だったりと、高速鉄道を導入する以前に解決するべき問題が山積みなのではないかと言う批判もあります。R0000300

実際に筆者もインドで鉄道に乗った際に列車が4時間遅れましたが原因は不明ということがありました。定時発車の日本の電車がいかにすごいのかを痛感しました。日本の新幹線技術がインド人の生活をより良いものにするのか今後の動向に注目しましょう。

⑵原子力協力の合意

新幹線と同様に日本の原子力技術をインドに輸出するという協力が合意に至りました。これを受けて今後日本は原発の技術をインドに輸出できるようになります。前述した通りインドのインフラは以前整っておらず、インドにとっては日本の高い技術力でインフラを整備でき、日本の企業にとっては大きなビジネスチャンスとなることが予想されます。一方で、インドは核拡散防止条約(NPT)に加盟していない国であり、日本が外交上大切にしてきた「唯一の被爆国であり核廃絶を訴える立場」ということと矛盾する可能性が出てきます。どの分野でインドと協力をすることがインドの人々のためになるのか、経済的だけでなく様々な面から見極める必要があります。

⑶日印のビジネス促進

日本とインドのビジネスを促進することも話し合われました。成長の見込まれるインド市場へ日本企業が進出する機会を後押しするための金融の仕組みを整備することや、インドにおける「質の高いインフラ」の整備に貢献するためのODA拠出などが主に話し合われています。

成長するインドの注目ポイント

今回の安倍首相のインド訪問を通じて筆者が感じたインドの注目ポイントは「インフラ整備」です。新幹線、原発、ODAと今回話し合われた問題はどれもインドのインフラの問題です。爆発的に増える人口をいかにインフラで支えることができるのかで、今後のインドの発展具合も変わってくるでしょう。今後ますます日本との関わりが深くなるであろうインド社会がどのような方向に向かっていくのか、今後も要注目です。

参考資料
・  外務省http://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sw/in/page4_001632.html
・  国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo02_hh_000064.html
・  独立行政法人労働政策研究・研修機構
http://www.jil.go.jp/foreign/basic_information/india/2013/ind-1.html

編集後記

2015年の夏、私は本場のカレーを食すべくインドへと飛び立った。軽い気持ちで行ったインドで衝撃を受けた。急激な経済成長を遂げるインドのイメージとは裏腹に、ストリートチルドレン、物乞い、宗教間対立、スラムと実にリアルなインドの姿がそこにはあった。安倍首相とモディ首相が交わした固い握手の先には、インドの国民の未来がかかっている。日本の技術力がインドの役に立てるのかこれからも注目していきたい。

(記事作成:宮川 健太郎   記事編集: 宮川健太郎 )

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