記事であなたの可能性が広がる ~学生のための記事・イベント配信サイト~

後編:あなたは憲法改正に賛成?反対?~自民党改憲草案における変更点とは~

記事作成: グローバル・イノベーションナビ編集部   記事編集: | Future |2016.01.30

前編では憲法改正の基本を復習しました。後編では憲法改正で何が変わろうとしているのか、自民党改憲草案について具体的に変更前と変更後の条文を比較してみましょう!

前編の基本編はこちらから

憲法の何が変わろうとしているのか?

自民党の改憲草案では、これまでの全体で第11章の補則を含めて11章、103条からなる構成であったのに対し、全体で11章、110条と条文が増えています。
主な改正点は、自衛権の明記や緊急事態条項の新設、家族の尊重、憲法開始は次要件の緩和などが挙げられますが、全部について変更点を理解しようとすると少し多いので、ポイントにしぼってみて行きましょう!

変更点1:国防に関する規定

<第9条>

dai9jou

現行の憲法の第9条で謳われている戦争の放棄ですが、自民党の改憲草案ではずいぶんと変更点が多く見られます。改憲草案において、“国防軍”と明確に軍と規定されているのが大きな特徴ですね。また、現行の憲法で存在する「永久にこれを放棄する」の部分がなくなり、国際紛争を解決する手段として以外であれば用いる可能性を示唆しています。

n160130-1(出典:陸上自衛隊)

また、改憲草案の前文では、
「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。」とあります。これだけ見ると、徴兵制を認めようとしているのか、と思われるかもしれませんが自民党は徴兵制はあり得ない、と否定しています。

変更点2:国民の義務・権利や差別に関する規定

<第14条>

dai14jou

<第21条>

dai21jou
<第102条>

dai102jou

障害の有無による差別を禁止することが明文化されています。一方表現の自由などでは、現行の憲法と違い限定条件下では保障されないことがあるようです。
また、現行の憲法では天皇や国会議員・公務員等のみに課されていた憲法尊重義務ですが、草案では全ての国民が憲法を尊重しなければならないと規定されており、憲法とは国民ではなく国が守らなければいけない規定であるとの考えから、憲法の性質が変化してしまうと訴える人もいます。

変更点3:緊急事態の規定

<第98条><第99条>

dai98-99jou
草案では、新たに緊急事態に関する章が追加されました。第99条にあるように、内閣は緊急事態の宣言が発せられた場合、法律と同じ効力を有する政令を制定することができます。これにより、緊急時に内閣による迅速な対応が期待できる反面、内閣に権力が集中し三権分立が著しく弱まると批判されています。

これまで様々な論議が行われてきた問題は憲法にどう規定されるのか?

夫婦別姓・同性婚など家族の在り方

<第24条>

dai24jou
家族という単位が強調されており、これにより婦別姓を否定することを合憲とみなされうる方向に働くとみなす人もいるようです。また、同性婚の議論ではしばしば「両性の合意」の両性に男女の二つの性が含まれるという意味で捉えられ同性婚を否定することがありますが、その部分は草案で変わってはいないようです。

君が代・日章旗

<第3条>

dai3jou
君が代や日章旗への敬礼では色々な論議がありましたが、草案には国旗および国歌に対する尊重義務が規定されています。

改憲制度

<第100条>

dai100jou
これまで、衆参両院の議員の三分の二の賛成が必要だったものが、過半数の賛成で国会が憲法改正の発議を行えると自民党草案では規定されています。これによって、改憲の是非を国民に問いやすくなるというメリットがある一方で、国会で十分に議論されないまま発議に至る危険性もあります。

他にも、「○○は、これを侵してはならない」という文章が「○○は、保障する」と変わっているものもあります。文が少し変更されるだけで、憲法で認められる範囲が変わることがありうるので、注意が必要です。

一国民として

これまで現憲法と憲法草案の違いをご覧になってどんな感想を抱いたでしょうか?
前編でも言った通り、国民投票は憲法改正の手続き上の最後におかれており、最終決定権は我々国民にあります。これまでに見てきた、自民党の改憲草案に対して、みなさんそれぞれ賛成・反対の意見を持っているでしょう。国民投票では関連する事項ごとに投票が可能ですので、憲法を改正するかどうか、草案に賛成か反対かを、個々の条文レベルまでしっかりと見て、自分の意見を持ち国民投票に備えましょう!

以下から自民党憲法改正草案のポイントをまとめたエクセルファイル(日本語および英語)をダウンロードできるので、日本人の友達や外国人の友達と議論を深めてみてください!

自民党改憲草案ポイント【日本語】
自民党改憲草案ポイント【英語】
___________________________________
参考文献
日本弁護士連合会
総務省(憲法改正の手続き)
総務省(国民投票制度)
読売オンライン
Yahoo!みんなの政治 衆議院・参議院の議席配分

編集後記

もちろんこれは自民党が作成した草案ですので、これがそっくりそのまま国民投票にかけられるわけではありません。色々な政党の案が今後出され、国会で審議されたのち国民投票にかけられるでしょう。

今後も憲法改正については、国民全体で考えて行くことが必要ですね。

(記事作成:グローバル・イノベーションナビ編集部   記事編集: )

「いいね!」で、最近の情報をチェック!